宇宙・電磁環境研究センター

ご挨拶

センター長 芳原容英

 電気通信大学の申し子ともいえる研究組織が2010年の4月に誕生しました。私たちの宇宙・電磁環境研究センターです。電気通信大学が伝統的に得意とする電磁波の計測とそのモデリングを機軸として、さまざまな通信手段を駆使することにより、宇宙空間や地球の上層から、私たちが普段生活をしている場所までの電磁環境の理解を深めることをミッションとする研究センターです。

 本センターの研究分野のひとつに宇宙環境科学分野があります。オーロラに代表される地球周辺の宇宙空間の電磁気現象を科学的に解明していく分野です。オーロラは、光という電磁波を周囲に放つと同時に、その中や周囲に強い電流を流しています。

 例えば,この宇宙空間の電流を例にとってみます。電流はまわりに磁界をつくります。その磁界は、実際に人工衛星や地上で観測することができ、それによって電流やオーロラの多くの性質が明らかになっていきます。このような電流と磁界の関係は、私たちの生活にあふれている電気装置においても成り立っています。 装置の中を流れる電流によって回路基板にノイズが引き起こされることは同種の過程です。

 この種のノイズをいかに低減させるかは、私たちの普段の生活に密着に関わる問題です。このような実用的な研究、電磁環境工学分野もまた本センターの重要な研究分野です。「磁界を捉える」手法は、2つの研究分野に共通の重要な要素です。

 センターでは、上記の分野に加えて、所有する菅平宇宙電波観測所の設備を主に用いる衛星通信環境分野や、地球大気中の電磁気現象である落雷やレッドスプライトをターゲットとする地球環境観測分野の研究も推進しています。合わせた4つの分野は、いくつもの共通要素をもっています。

 私たちは、電磁波の計測とモデリングというセンターの機軸の中を通っている、分野間をつなげる共通要素のいくつもの線を強く意識して研究を掘り下げていきます。それによって、宇宙空間から私たちが生活している場所までの電磁環境に関して、新たな研究対象を見出していくことも目的としています。

 皆様方のご支援とご理解を賜りますようお願いします。